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現在、うちには三匹のペットがいる。「犬」の時に書いたメス犬と、その後加わったオス犬、そしてオスのハリネズミである。
何故ハリネズミなど飼ったのかとよく人に聞かれるが、一目惚れと言う他は無い。無論一目惚れしてその場ですぐ飼ったわけではなく、一度ハリネズミの飼い方を一通り調べ、飼育用具を揃えてから迎えた。飼育用具といっても、余っていた衣装ケースに床材を敷き、100円ショップで餌の皿を購入し、100円ショップの隣のスーパーでキャットフードを購入しただけである。
ハリネズミは各々に性格があり、おっとりしていて触らせてくれるものもいれば、威嚇しながら針を立て、下手に触ると刺さったり噛み付いたりするものもいる。うちのハリネズミは、残念ながら後者であった。手に乗ってこないかと手のひらを差し出したら、見事に指を噛まれた。
ハリネズミというからネズミの一種のようだが、ハリネズミはモグラの仲間で肉食である。顎がそれほど強くないので、キャットフードを水でふやかして与える。たまにミルワームという、小鳥や魚の餌にもされる小さな芋虫も与える。どちらが食い付きが良いかといえばミルワームだ。それこそ狂ったように食い、無くなると皿をひっくり返して五分は探し回る。そのうち諦めて寝る。
ハリネズミはとにかくよく寝る。昼に見ても、衣装ケースの隅にウニがいるようにしか見えない。いつもきちんと丸まっているわけではなく、寝ているうちに横向きになったりする。その時見える寝顔がたまらなく可愛いのだ。
母から「何が楽しくて、そんな触れもしない動物を可愛がるのか」と言われた事がある。触れなくてもいいのだ。あの寝顔を拝めるだけで幸せである。
もっと可愛いのは、寝起きにする欠伸だ。寝ている時、稀にべたっと腹這いになって後ろ足が伸びているのも可愛い。ケースを覗くと、私を見てくる表情も非常に愛らしい。尻からぴょっこり出ている短い尻尾もナイスだし、餌を食べている時、餌の皿に片方の前足をちょこんと乗せている様など悶絶モノである。ハリネズミは、何から何まで可愛い生き物なのだ。触れない事など苦にもならない。アナタの糞なら喜んで掃除させて頂きますという気持ちになる程に可愛い。
まだまだマイナーなペットであるが、将来は犬に匹敵する位にポピュラーなペットになるのではないだろうか。だって、これだけ可愛いのだから。
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