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恐らく犬は、最も多く飼われている動物だ。最初のペットとして選択する人も割といるだろう。私の場合、二番目のペットとして犬を飼った。
最近チワワやダックスフントをよく見掛けるが、うちの犬は雑種である。模様の配置を見るに、恐らくビーグルの血を引いている。
こいつは、昔近所にあったホームセンターのペットコーナーにいた。売られていた訳では無い。ペットコーナー内にあるトリミング室の前に「貰って下さる方はスタッフに声をかけて下さい」と張り紙がされていて、その下に段ボール箱が置いてあり、その中に二匹の子犬が入っていたのだ。どこかに捨てられていたのをスタッフが拾ってきたのか、スタッフの家で生まれたのか。そこの所は解らない。
一番目のペットであった兎が亡くなって以来、私にはペットがいなかった。生来動物が好きな私は、その犬達を見て駆け寄った。
二匹のうち一匹は、女の子が抱っこして「連れて帰るうぅー」と号泣していた。その横では、女の子のお父さんであろう男性が「絶対ダメ」といった顔で佇んでいた。それで私は、箱に残っていた犬を抱え、自分の父に頼みに行った。
幸いうちの父は犬に興味を示し、もう一匹いるという情報を私から聞いて「そっちも見たい」とペットコーナーに来た。
もう一匹は、相変わらず号泣する女の子に抱かれていた。父はその犬と私が抱いていた犬を見比べて「俺、あっちがいいわ」と女の子が抱いている方を指差した。
丁度その時、ようやく観念したのか、女の子は犬を離し、お父さんに引きずられるようにして去った。私は先程まで女の子に抱かれていた方の犬をすかさず抱え、父に渡した。
父も、元々動物は好きな方である。犬の顔を見て「うん、こっちの方が愛嬌ある顔だ」と呟き、「お前が世話しろよ」と言った。この時点で、この犬はうちの犬となった。
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