三日月の夜

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三日月が照らす闇の中、俺と時任は家に向かう道を歩いていた。 言葉はあまり交わしてないけど、ただ、傍にいれる事だけで俺は充分だった。 はずなのに、今はもっと時任が欲しい。 少し指を延ばせば、君の肌に、髪に届く。 そんな距離。 今まで保ってきたバランス、プライド、理性、今夜くらい壊してみようかな。 なんてね。 無理に決まってる。俺は臆病だから。 壊してしまったら直らない。 俺の大切な関係が、俺と時任の繋がりが。 そんな気がする。 強い根拠があるわけじゃないケド。 でも……怖い。 弱虫だね、俺は。 そんな俺を見たら君は笑うかな?それとも蔑むのかな?
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