三日月の夜

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でもその後、時任は不安そうな顔を見せたから。 理由聞いたけど、その時も黙り込んじゃって。 今もってワケ   「なぁ久保ちゃん、家 帰ろうぜ?」 時任は気まずかったのか、話をそらそうと歩き出した。 「時任」 その腕を俺は無意識に掴んでいた。 俺なにやってるんだろう、余計気まずくなったじゃない。 「久保ちゃん、なんだよ?」 「なんでもない」 「じゃあ離せよ」 「………………」 何故か言葉が出てこなくて、俺は掴んだ腕を離さないまま、立ち尽くすことしかできなかった。
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