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後ろのソファで、お兄ちゃんが長い足を組んで新聞を読んでいる。
足、私の背中に当たってるんですけど。
「問2の考え方がずれているから、問3が分からないんだ。そこは四角形で考えてみてはどうだ。」
気付いたら新聞を置いて、私のノートを指さしている。
私はかってに自習してるだけなんだから、自分の弟達を手伝ってあげたらどうよ?
ヨッコがお兄ちゃんに質問をした。
やっと離れてくれ・・・なかった。
ヨッコのそばに行けばいいのに、なぜか私の左手後ろから離れない。
お兄ちゃんがいるせいか、目前に迫っているタイムリミットのせいか、皆黙ってノートに向き合いはじめる。
それをいいことに、お兄ちゃんはますます私に「寄り添って」きた。
さっきの問題が解けたご褒美に、頭を撫でてくれたりして。
ちょっと待ってよ!?
何事!?
マサシ、あんたのお兄ちゃん、変態ちゃう!?
小さい頃、一緒に遊んだ気がするけど、こんな変な人だったっけ?
つか、何で私にだけこんな事するの?
周りも、何も言わないのが逆に怖いよ!
ちょっと~!!
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