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貞子さんは、真っ赤になった鼻と額を押さえながら涙ぐんだ目で俺を見ながらそう言った。
「すいません、ついみんなが帰って来てくれたのかと思って。」
「みんな?」
「いえ、こっちの話です!」
「そうですか、あの、中に入っても良いですか?」
「えッ?あっ、はぁ良いですけど、貞子さんどうかしたんですか?」
そう言うと、部屋に入りながら見下すような顔をして貞子さんは言った。
「恭平さん忘れたんですか?さっき夜テレビを見に行くって言っといたじゃないですか?」
そういえば言ってたなぁ…。
でもこんな時間に来るなんて、てっきり9時とか10時に来るもんだとばかり思ってた。
「こんな時間に来て何見るんですか?」
時刻は午前1時23分。こんな時間に幽霊少女が一体何を見るのか…?
「マク〇スです」
「はい?」
「恭平さん知らないんですか?マク〇スF。」
いえいえ知ってますよ。毎週欠かさず見てますから。
そういえば今日は金曜日だった。(時間的には土曜日だが)いじけてたせいですっかり忘れてたな。
「深夜アニメですか、わかりました。そうと決まれば早速テレビをつけましょう!始まるまであと30秒もありません!録画の準備もOKです!」
「さすが恭平さんですね!ではお願いします!」
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