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「あれ?お兄ちゃん帰るの?」
玄関まで行くと桃香がココアの入ったカップを片手にリビングから出て来た。
「ああ、ちょっと用事もあるしな。」
「そっか、じゃあまたね!」
俺が『じゃ』と手を上げ、ドアを開けると、貞子さんは逃げるように家から出て行った。
どんだけww
「どしたの?」
桃香がポカンとしている。
「残念ながら男の欲望のはけ口になってしまったのさ。」
俺がそう説明してやると、
「わかった!後は任せて」
と言って桃香は二階に上がって行った。
ご愁傷様鈴木くん
さて、俺と貞子さんは今、母さんのお使いを果たす為近所のスーパーに来ている訳だが…
「うっひゃあ!すごいですよ恭平さん!あっ!これは食べて良いんですか?うわっ!こんなのまで冷凍食品に!?」
貞子さんは大はしゃぎだ。
「貞子さん、少し落ち着いて、ホラ、人が見てますから!」
「ハッ、すみません、つい…ウマッ!はしゃいじゃって。」
貞子さんは試食品のサイコロステーキを食べながら、俺がいる魚売り場まで来た。
「構いませんけど、そんなにすごいですか?」
「はい!すごいです!私が知ってるスーパーとは大違いです!」
そりゃああなたは何年もビデオの中に居たそうですからね、時代は変わるんです。
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