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「とりあえず待ち合わせ場所に行こう、耕作の奴多分キレてるぞ。」
気付けば待ち合わせの時間はとっくに過ぎていた。
「あらほんと、じゃあ早く耕作がキレたとこを見に行きましょ!」
そう言うと香住は貞子さんを抱きかかえながらとんでもないスピードで走っていった。
「恭平さあぁぁ………」
貞子さんが俺を呼ぶ声がどんどん小さくなっていく。
てか香住よ…キレたとこを見ない為に急ぐんじゃないんですか?
「ああもう!!!」
一言叫んで俺は走りだした。もちろん貞子さんを救出するためだ。
テンションMAXの香住とキレた耕作が一緒にいれば過程はどうあれ、5分で駅前は地獄とかすだろうからな。
―――
あああ…恭平さんがどんどん小さくなっていく…。
てか香住さん、そろそろ下ろしてもらえないでしょうか、お尻を前に向けて抱きかかえられるというのはかなり恥ずかしいです…
「ねぇ」
私が恥ずかしさに必死に絶えていると、香住さんがおもむろに話しかけてきた。
「なんでしょう?」
「貞子ちゃんって…恭平の家に住んでるの?」
香住さんは少し深刻そうな顔をしてきいてきた。
「はい、今は恭平さんの家に住まわせてもらってます。」
「そう…」
そう答えると香住さんは黙り込んでしまった。
どうしたんだろう?
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