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「どうしましょう?」
貞子さんは目に涙を浮かべ、俺の服を強く掴みながら聞いてきた。
「そうですねぇ…」
「決まってるわ!でしょ?恭平!」
ずいぶんと自信満々だねぇ、だが、まぁ、それしか手はないようだし仕方ないか。
「ああ、やるぞ!」
「えっ!?何、なんですか?」
「「GO!!!」」
俺と香住は掛け声と共に走り出した。もちろん、貞子さんは香住が抱えている。
まあ、つまり俺らの作戦、それは『逃げるが勝ち』って事だ。
大変分かりやすいですね。
しかし、何か忘れているような…。
「ふぅ、さすがにここまでくれば平気でしょ?貞子ちゃんお疲れ様!」
「はい、す、すみませんでした…」
「いいって事よ!あはははははは!!」
まったくコイツは、さっきからどんだけ笑えば気が済むんだ?一体何がそんなにおかしいんだか?
しかもあまりの猛スピードに貞子さんすっかり怯えてんじゃねーか!
「そういえば恭平、耕作の事置いて来ちゃったけど、どうする?」
耕作?ああ、そういえば…
「すっかり忘れてた。」
「プッ…ブワハハハハハハハハハ!!忘れてた!?アハハハハ!!!」
そんなに面白いか?
俺はちょっと香住がわからなくなった。
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