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「……ウ…」
…んんっ?
「彰!」
自分を呼びかけている声を聞き、閉じている瞼をゆっくりと開ける。すると同時に眩しい光が目の中に差し込んできた。
「――あら?
入学式は?」
状況を掴めていない彰を呆れながら徹は言う。
「もう終わったよ。
なかなか彰が起きないからもう僕達が最後だよ」
「…あぁ寝てたのか」
まだ半分閉じかけている瞳で辺りを見渡す。
ようやく自分が寝ていた事に気付いたようだ。
「早く教室戻るよ」
徹の言葉に頷き、2人は教室へと向かった。
教室のドアに手をかけて開けると同時に急に前から何かがしがみついてきた。
「彰~、遅いよ」
「はいはい…」
佳奈美がまた抱きついてきた事に大きくため息をつきながらその手を無理矢理ふりほどき自分の席に着いた。
教室の席の並びも入学式同様に出席番号順。
なのですぐ目の前にいる豹が椅子をひっくり返して話し始めた。
「なぁ前から俺思ってたんだけどさ…」
何やら深刻そうな表情だ。何事かと思いその話を聞く。
「彰って白鳥と付き合ってんの?」
「……はい!?」
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