第1章.桜が舞う季節

9/10
前へ
/36ページ
次へ
突然の豹の質問に目をパチクリさせる彰。 「…俺が佳奈美と!?」 いつになく神経な表情で頷く豹。真面目にそう考えているようだ。 そんな様子を見た彰はケラケラと笑いながら答える。 「んな訳ねーだろ、 だいたい学校楽しむのを邪魔してんのはアイツだからな」 「じゃぁ抱き合ってるのは? 結構あれ噂になってるぜ」 「あれは昔からだからな。しょうがない…、やるなって言っても止めようとしないし」 彰の言葉を聞くと安心した様子で息をフーと吐く。 「俺達彼女いない組から抜け出そうとしてるのかと思ったぜ。 勝手に彼女作ったら怒るんだからな」 「俺がいつそんな団体の一員になったんだよ。 それに彼女作るのは俺の自由だし作ろうとも思わないから」 すると、豹はため息をついた。 「これだから彰は、 まぁ俺の可愛い彼女を指をくわえて見てるんだな」 「豹にはそんな人出来ないだろうがな」 おい、気にしてるところをズバッと言うなよな…。 「???」 右拳に力が込もっている豹を不思議そうに見つめている彰だった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加