第1章.桜が舞う季節

10/10
前へ
/36ページ
次へ
――それから先生がやって来て、明日の事などを伝えると今日の学校は終わりとなった。 挨拶を終えるとほとんどの生徒達は一斉に帰り出す。 彰もいつもなら部活でサッカーをするのだが、今日は練習がないのでその集団に紛れ話をしながら自宅へと向かう。 家の前に着くと友達にバイバイと行って別れた。 「ただいま~」 元気良く言うと、ヒョコッとドアを開けて顔を出してくる人物がいた。 「…ハァ」 彰の顔を見ると同時にため息をついて、顔を引っ込める。 「え、いやアヤネェー…、、 俺の顔見てため息って、なんか嫌な気分なるから!?」 すると再び顔を出して彼女は言った。 「いや彰いると騒がしいから…。それと母さん買い物行ってる」 彰は少し顔をうつ向けながら落ち込む。そしてふてくされたように言う。 「どうせ俺は邪魔でうるさい奴ですよー、だからどっか行ってやりますよーだ」 自分の部屋に上がり遊ぶ準備をしてすぐに家を飛び出す彰だった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加