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今年もまた綺麗な桜が日本中に咲き始めていた。
春風に優しく吹かれ舞っている桜の花びらがここ『涙空高校』〔ルイゾラコウコウ〕へと続く道を鮮やかなピンク色にしていた。
「よ~し、とうとう俺も高校2年か、今年も学校楽しむぜ!」
校門の前で一人顔を輝かせながら意気込んでいる少年、五十嵐 彰〔イガラシ ショウ〕は今年この涙空高校の2年生になった。
明るく元気そうな外見の彰。
ワックスでもつけてるんじゃないかと思うぐらいのツンツン頭の彰に呼びかける者がいた。
「彰…」
おろおろとした表情でやって来たのは中学の頃からずっと一緒だった守山 徹〔モリヤマ トオル〕。
昔から引っ込み思案な性格でいつもポジティブな彰についている。
「んじゃぁ行くか」
その言葉に徹は小さく頷き彰の背中をついていく。
「それにしても春だぜ。もっと楽しそうにしろよ」
徹に話しかけたが恥ずかしそうに「ウン」と短く答えただけだった。
2人は校門を抜け、他愛ない話をしながら歩いていると何だか騒がしい奴が後ろから走ってきていきなり彰に飛びついてきた。
「ショ~♪おはよ~」
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