第1章.桜が舞う季節

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彰は突然の事にビックリしながらもたいぎそうにため息をつく。 「あのなぁいい加減いきなり抱きついてくるのやめろよな~」 不機嫌そうな彰だったが彼女はなかなか彰から離れようとしない。 「だって~彰カワイんだもん」 とびっきりの笑顔の彼女だったが彰はもう一度ため息をつき、呆れたように言う。 「――一応…、佳奈美も高2だぞ?この年になって人前でみっともないだろ」 『一応』のところを少し強調している彰だったが佳奈美は気にする事なくニコニコしながら言う。 「まさか…照れてる?」 「黙れ」 即答した彰に口を膨らませながら呟く。 「昔は頭撫でてくれたりして優しかったのに…、最近の彰はなんか酷いよ……」 少し目を潤ませながら言ってくる。演技なのに何故か悪いような気がする…。 「…分かったよ、俺が悪か――」 「ありがと~♪」 また彰の腕にしがみつく佳奈美。 その様子を苦笑しながら見つめている徹。 「おい!皆見てんだろ!変な誤解されんだろ!?」 「いいじゃん別に~。 仲良しなんだから」 周りからクスクス笑いが聞こえてくるのだが、彰にはどうする事もできなかった。
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