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彰達が体育館に入ると既にズラッと並んでいる椅子のほとんどが生徒や保護者に埋め尽されていた。
彰は人混みをヒョイヒョイとかいくぐり指定されている場所に座る。
すると、隣に座っていた友達伊井 豹〔イイ ヒョウ〕がキョロキョロしながら話しかけてくる。
「今年かわいい子いないかな?」
それに少し呆れながらも返す。
「豹は女子の事しか頭の中にないのか?そんなんだから彼女出来ないんだよ」
その言葉に豹はムッとした顔で言う。
「彰だっていないじゃないか」
「俺はそんなの興味無いんだって、充分楽しいからな。
一つだけ除いてだけど…」
そんな感じで話していると入学式の開始時間となった。
その途端ピタッと生徒達は話を止め、新入生を拍手で迎える。
ハァー、さっさと終わらないかな、校長とか話長いから眠くなるんだよな…。
ボーとしていると何だか瞼がどんどん重たくなってくる。
校長が長ったらしく話しているのが微かに聞こえてくる中、目を閉じゆっくりと眠りの世界へと引きずり込まれていく…。
まさか、この新入生の中に自分の人生を変えるような人が居るとは思わなかっただろう…。
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