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「ぐすっ……ひっく……」
少女が泣いている。
「もう泣かないで?」
少年が慰める。
「だって……」
少年の後ろには車の側で困ったように微笑んでいる両親。
少女の後ろには同じように微笑む少女の両親。
「ほら、瑠璃ちゃんがお願いしたからトラックのおじさんに先に行ってもらって時間作ってもらったんでしょ?瞬君困っちゃうよ?」
少女の母が言う。
「うん……」
少女はまた泣きそうになる。
「……大きくなったらまた会おう?」
少女の涙を止めたい一心で少年は優しくそう言った。
「……ホント?」
その言葉に少女は顔を上げた。
「うん!」
少年は笑って言った。
「……きっとだよ?」
未だ目に涙を浮かべつつも笑顔になる少女。
「約束だよ」
少年もまた笑って小指を出した。
「約束……」
少女も小指を出して少年の指と結んだ。
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