第二章 歓迎

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「……お帰り……」 ああ、光はいつものように可愛いな。 神木光(カミキヒカリ)……俺の従姉妹で両親が外国に居るため一緒に暮らしている。 少しとはいえ俺と同じ血が流れているとは思えない可愛さだ。 「ただいま。ほら、居間に行くから離して」 「……わかった」 優しく言うと少々名残惜し気に離れた。 「ありがとう」 軽く頭を撫でる。 「……うん……」 顔を赤くして照れてるのかな? とりあえず二人で居間へ行く。 「ただいま」 「おかえりー」 母さんの声が聞こえる。 「母さん、今日学校でさ……」 「瑠璃ちゃんに会ったんでしょ?」 いかにも『知ってるわよ』といった顔で言われた。 「……なんで知ってんの?」 「なんか昨日の夜に着いたらしくてね、今朝あんたが出るちょっと前に弥生さんが挨拶に来てくれたわよ」 さいですか。 ……聞いてないよ。 ちなみに弥生さんは瑠璃ちゃんの母親だ。 「それで今日パーティーするから」 「引越し祝いみたいなこと?」 「そうよ。あんたも手伝いなさい」 「じゃあ瑠璃ちゃん来るのか」 「当たり前でしょ?さっさとしなさい」 「早く教えてくれればよかったのに……」 「……なんか言った?」 手に持つ包丁がキラリと光る。 「いえ!掃除でも致します!!」
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