第二章 歓迎

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「……瑠璃ちゃんって誰……?」 俺の後ろに居た光が聞いてきた。 「ああ、俺の友達だよ。引っ越す前に隣に住んでたんだ。高校に行ったら居たからびっくりしたよ」 そうか、光は引っ越してから来たから知らないんだよね。 「……そっか。兄さんのお友達なら……きっといい人だね……」 光が微笑んで言う。 なんかもう、君の思考がいい子だよ。 「ああ、いい人だよ」 そのあと二人で掃除をした。 掃除機をかけてテーブルの上を片付ける。 ……途中で『父の』と書かれた封筒がテレビの裏にあるのを発見したが見なかったことにした。 ……へそくりだろうか。 父のために、現在料理をしている母さんに見つからないように祈ることにしよう。 しばらくして一応終わった。 「なんとかなったかな」 「……そうだね」 「俺の部屋は……来るわけないだろうし、今はいいか」 別に汚れてるわけでもないけどさ。 そんなふうにしていると玄関の呼び鈴がピンポーンと鳴った。
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