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「来たみたいね。瞬、開けてあげて」
母さんは手が離せないようだ。
「いらっしゃい」
扉を開けて出迎える。
「おじゃまします」
「おじゃまします。瞬君……久しぶりね!」
「弥生さん、お久しぶりです」
瑠璃ちゃんは静かに、弥生さんは明るく言った。
あんまり覚えてないけど弥生さんは最後に会った時と変わらない気がする。……要は若いってことです。
「あんなに可愛かった瞬君がこんなにかっこよくなったなんてねー♪」
「いえ、そんな……」
お世辞でも褒められたら嬉しいですよ?
「あら~照れちゃって!やっぱり可愛いわね~♪」
「……瞬君、その子はどちら様ですか?」
瑠璃ちゃんは弥生さんには構わず無表情のまま聞いてきた。
「あ、うん、こっちに引っ越してから一緒に住んでる従姉妹の光だよ。両親が海外で働いていてさ」
「……こんばんは。光です……」
瑠璃ちゃんと弥生さんからは見えないところでそっと俺の服を掴む光。
緊張しているのだろう。……可愛すぎてやばいんだが。
「こんばんは、瞬君の友達の瑠璃です」
「光ちゃん、こんばんは。瑠璃の母の弥生です」
光が緊張しているのを察して優しく話し掛ける二人。
「……はじめまして……兄さん、この人がさっき話してた瑠璃さん……?」
「うん、そうだよ」
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