第二章 歓迎

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「美人さん……」 「だよね?……って瑠璃ちゃん、『瞬君』って?」 『お兄ちゃん』じゃなかった? いや、別に未練があるとかじゃなくてね? ほんの少し頬を赤く染めた瑠璃ちゃんが返事をする。 「この歳で私に昔みたいに呼ばれるのは恥ずかしいかと思ったんですが……そちらの方がよかったですか?」 「いや!いいよ!……なんか新鮮だなと思ってさ」 「瞬ー!なにしてんの!?早くあがってもらいなさい!」 変な弁解をしていると奥から母さんの声が響いた。 「あ、二人共すみません!どうぞ!」 慌てて俺は二人を招き入れる。 「弥生さん久しぶりー!」 「瑞江さんも元気だったー?」 なんかキャピキャピ(たぶん死語)してる…… 瑞江は俺の母親である。 そういえば、二人共同い年だった気がする。 ……息子の俺が言うのもなんだけどうちの母親も若いよ。 いくつだったかな? 「瞬?……ご飯抜きになりたいの?」 「滅相もありませんお母様」 ……年齢とか気にしてはいけない。
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