第二章 歓迎

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そんな訳でパーティーが始まった。ちなみに、瑠璃ちゃんのところとうちの父さんはまだ仕事だ。 女性率高いとかは気にしないことにしよう。 母さんと弥生さんはワインを飲んでいる。 未成年三人はオレンジジュースだ。 てか料理がすごい。 母さんは本気出したらすごいんだよな。 俺の右側には瑠璃ちゃんが座っており、左側には光が座っている。 「ホントに久しぶりだね」 「そうですね」 光は元々あまり喋らないのもあり、ちびちびとジュースを飲みながら話を聞いている。 「そういえばさっき瞬君は『兄さん』と呼ばれていましたね?」 「え?うん。従姉妹だけど光がそう呼んでくれてるよ。ね?光」 「うん……兄さんは……兄さんだから……」 「前は『お兄ちゃん』だったけどね。中学に入ったあたりから変わったかな?」 「……なんとなく」 光は恥ずかしくなったんだろう。 「じゃあ私が居なくなっても『お兄ちゃん』と呼んでくれる子が居たんですね。よかったです」 瑠璃ちゃんの横顔がちょっと寂しそうに見えたのは気のせいだろうか。 「瑠璃ちゃんが居なくてすごい寂しくなったんだよね……光のおかげでとても救われたよ」 俺は光の頭を撫でながら言う。 光は顔を赤くして俺を見上げてくる。
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