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(ここで待とうかな。すれ違いになるのもやだし)
総指令室は、エントランス中央の通路奥に在るので、此処で待てばいずれ彼らと会える。
少女がそんなことをつらつらと算段していると、前方から男が二人やって来た。
少女の頭二つ分は高いだろうか、大柄で服がはち切れんばかりの二の腕と胸板を持った男達だ。二人とも、腰に剣をぶら下げている。
少女は、少しだけ顔を引き攣らせると、目を合わせないよう慌てて顔を俯ける。
男達は好奇の目で彼女を見ていくが、そのまま脇を素通りして扉へと向かっていった。
ふぅ、と安堵の溜め息が少女から漏れる。
(ウル、早く来ないかな)
胃袋の方が、再三食べ物を要求してきているが、少女はそれも無視して一人ひたすら待ちぼうけるのであった。
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