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エントランスだ。中央付近には大鳥の銅像が置かれ、少女の対角線に受付所、その真向かいの角には長椅子が四つ、そして向かい壁の中央にはミスティルの玄関口となる大きな扉があった。
あの扉から隊員達は任務に赴いていく。
少女は足早に受付の方に向かうと、
「すいません。ウルクエイド・フロンとエンジ・イナモリは帰って来ましたか?」
と、少し緊張した声で尋ねた。
受付のお姉さんは見事な営業スマイルで、
「少々お待ち下さい」
とだけ言うと、手元の用紙を数回めくる。
幾度目かのところで手を止めると、再び営業スマイルを浮かべ、
「お帰りになられてますよ。今は総指令室で事後報告をおこなっている頃かと」
と、マニュアル通りの言葉を言い放つ。
ありがとうございます、と少女は軽く会釈してその場を離れると、銅像の土台にとんっともたれる。
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