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「それじゃあそろそろ、その問題の処理方を説明しまーす。」
使い様は面倒臭そうに、冗談っぽく言いました。この人嫌いです。
別の書類をめくると、その書類に目を落しながら、説明を始めました。
「えーっと……まずは非合法的生存者の処理。お前の魂をあの世に送って、肉体はこちらで処分しまーす。次に生前、生後に関わった人間の、お前に関する記憶の削除……」
「ちょっと待ってください、生前の人の記憶も消すって事は、私の存在は……」
「全く無かった事になるな。」
!!
私の存在が、無かった事に…?
「友達、両親、すれ違った人……全員の記憶から、お前が消える。」
「……そんなのっ!?」
「酷いとか言うなよ?元々は、お前が高崎海音に会わなければよかった事だ。」
……でも……そんなの酷いです…………
「……あ~っ、もう泣くなって!もう決まってる事なんだから、しょうがないだろ!」
「…その処理っていうのは、いつやるんですか……?」
「明日。」
メッチャ速いですっ!?
「明日の午前3時に処理を行うから、それまでは好きにやりな。存在が無くなる前に、やりたい事やっとけ。」
「………はい……」
「それじゃ、また明日。」
そう言って使い様は、ジャンプして空中で一回転すると、そのまま黒い霧になって、消えてしまいました。超カッコつけです。
「やりたい事ですか……」
存在が消えちゃうから意味は無いかもですけど、やっぱり告白ですね。
恋愛ベタな私は、まず告白の台詞から考える事にしました。
「前から、海音くんの事が、好きでした!」
ありきたりですね…
「別に、好きな訳じゃないんですからね!」
ツンデレは駄目ですね……しかも告白になってないです。
「私と一緒のお墓に入ってください!」
超ホラーです。
「………案外、難しいですね…」
もっと努力が必要ですね。
そんなこんなで、朝になりました。
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