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「お迎えにあがりましたよっと。」
使い様がとうとうやって来ました。
「おっと、君が高崎海音か。何だか悪いねぇ、君にも謝っておかないと。」
「いや、大丈夫です。」
海音と私は今、手をしっかり握り合っています。でも、この手ももう、離さなくてはいけません
「じゃあ上山蘭、そろそろ。」
「わかりました。海音…」
「じゃあな、蘭…」
海音の苦悶な表情。私もつられて涙目です。
「バイバイ、海音……」
手が離れました。夜の空気が凄く冷たく感じます。
「じゃあ、この魔法陣の中に入って。」
使い様に促されて、地面に掘ってある魔法陣らしき物の中に入ります。
「will-o'-the-wisp…and-shout-with-me…left-right-left-right-step1-step2…………」
使い様が隣でギターを弾きながら、謎の英語を唱え始めました。
すると、魔法陣が光だし、それが私と使い様を包みました。
それと同時に、体が軽くなる感覚。
「海音!」
とっさに、海音の名前を叫びました。
その瞬間、私の視界は真っ暗になり、意識も遠退きました。
意識が完全に無くなる寸前に、海音が私の名前を読んだ気がしました。
でももう、何もわかりません。
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