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その男の子は、私と同じ中学1年生で、名前は海音(うみね)くんって言います。
カッコイイです。ハンパねぇです。マジイケメンです。
なので、告白します。
性格も素晴らしいです。優しいです。活発です。マジイケメンです。
なので、告白します。
そんなことを思いながら、ゾンビ生活も一週間たちました。
告白どころか、誰にも会っていません。
ゾンビと言っても、傷口が治ってないだけで、見た目は普通の人と変わりありません。傷口は服で隠せますし、人目にふれても大丈夫です。
でもやっぱ、一度死んでしまったら、人と会うのは少し躊躇します。
なので私はいつも、人の行き来が少ない、学校のそばにある林の中にいます。家に帰る訳にもいかないので。
それでも、学校の近くにある林ですから、時々人がやって来ます。
その時は、必死で隠れます。見つかりたくないので。
木の陰や岩の陰に隠れます。絶対見られないように。
ましてや、同じ学校だった人に見られるなんて、論外です。私が着てる物、何故か制服ですし。
昼間は林の中をブラブラ散歩したり、岩の上で寝転がったりしてますが、辛いのは夜です。
暗闇の中、一人です。超孤独です。寂しいです。
寝れるならいいんですが、ゾンビだからか睡眠が必要無いんです。やる事ないし、孤独です。
そんな生活を、一週間続けてます。正直、かなり辛いです。
でも諦めません。
私は告白します。
そんな事を考えている、午後1時。
暇です。
暇すぎて恋愛サーキュレーションを大声で歌いそうです。
それはさすがにマズイので、この林で一番大きな木にエルボーくらわせて遊んでました。
そしたら
「上山?」
私の名前を呼ぶ声がします。
振り返ると、海音くんがポカン顔で、私を見ています。
海音くんに見つかりました。
あぼーん。
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