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ポロリポロリと
音を紡ぐは
艶やかな金の髪を風に靡かせた
碧い眼をした詩人。
その男は
陽の光を照らし返すその髪を
後ろで一つに縛っている。
──行きたい場所があるんだ
守りたい女(ひと)がいるんだ
殺したい程に憎いものがあるんだ
男は詠い続けた。
その歌声は
どこか儚さを
残していた。
──旅人さん
真っ直ぐに伸びた赤毛の髪を
三つ編みで二つに縛った少女が
今にも潮水が
足につきそうな浜辺で
彼の詩を聴いていた。
──あなたはどこから来たの
それに対し
男は空を仰ぐと
悲しみに満ちた言葉で
彼女に返した。
──私の故郷
今もそこにあるのだろうか
青い芝生の匂い
海から吹き付ける潮風
今ではもう
そこは思いでの中
男は大きく息を吸った。
その時
彼らの足首が水に濡れた。
それでも
男の唇は止まろうとはしない。
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