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目を開けると障子越しに朝日が差し込んでいた。
昨日の雨は止んでいる。壁掛け時計は九時を回っていた。
私はふとお腹に手を当てるとそこにはしっかりと膨らみがあった。さっきまでの事が夢だと分かっていても確認せずにはいられなかった。
…あの夢は一体何だったんだろう。
思い出すと少し背筋が寒くなる。
不意に襖(ふすま)が開いた。
「起きたか?朝飯出来てるけど食べる?」
いつもの優しい笑顔で雅人が聞く。
「うん。着替えてたら行くね。」
雅人は分かったと言い、部屋を出て行った。
私は着替えて顔を洗い、みんなが待つ居間に行った。
「由紀子さん。よく眠れた?」
お義母さんが朝食を運びながら聞いてきた。食卓にはご飯、味噌汁、焼き鮭と絵に描いたような朝食が用意された。
「はい。ゆっくり休めました。」
私は味噌汁をすすった。
お義父さんは新聞に目を向けたまま焼き鮭を綺麗に解(ほぐ)している。なんて器用な癖を持ってるんだろう。
朝食も食べ終わろうとした時、雅人が聞いてきた。
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