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美恵子は慌てる様子もなく、良幸と雅人に指示を出す。
「あなた、一応、産婆の井本さんとこ連絡して」
分かった。と良幸は腰を上げる。
「雅人はタオル持って来て」
雅人も言われるがまま動いた。
「由紀子ちゃん。大丈夫だからね。直に産婆さん来るし、まだ陣痛始まったばかりだから」
由紀子はあまりの痛みに返事は出来ない。…が、ふと痛みが引いていった。
「…はぁ…はぁ…」
「大丈夫か?」
雅人は一枚のタオルを手に持って由紀子の側に寄った。
「あんた何考えてるの?タオル一枚じゃ足りる訳ないでしょ。バスタオルも持って来て」
美恵子は呆れた表情。…男って本当、何も知らないんだから。
「はぁ…陣痛ってこんなに痛いんですね」
由紀子は苦笑いを浮かべた。
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