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部屋に戻ると、雅人が私の顔を伺うように覗き込んできた。
「どうした?まさか、さっきの叔父さんの話聞いて怖くなった?」
「そうじゃないんだけど、何だか落ち着かなくて…」
「何弱気な事言ってんだよ。ママになるんだからそんなんじゃ笑われちゃうぞ。」
雅人は私が出産の不安を抱えていると思ってるみたいだけど、そうじゃない。何か説明し難い不安が私を包んでいた。
「由紀子さんそろそろ寝た方がいいんじゃない?出産は体力使うから休める時に休んで温存しとかないとね。」
時計を見ると夜中の1時を回っていた。
お義母さんが私の布団を敷いて来てくれたので、私はこの不安を早く忘れようと先に寝る事にした。
「雅人おやすみ。」
「おやすみ。」
隣の部屋へ移り、寝間着に着替えると布団に入った。柔らかい布団が気分を少し和らげるようだった。
今日は余程疲れていたのか私は目を閉じるとすぐに意識が現実から離れて行った。
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