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お袋の靴はしっかりある
そこにあった生活感は靴のみで
中は空き家並のガラガラ
「何もねぇ…」
リビングで楽しみの前に俺はシンナーを吸ってのんびりした
なんて呑気なんだと自分で自分を笑った
「今夜は月明かりが綺麗よのお……」
冷蔵庫らしき物の上に薄暗く光るものがあった
「……ん?」
よく見たら写真立てだった
「なんやこの写真」
少し気になって月明かりに照らして見た
「はぁあ!?」
そこに写ってたのは明らかに俺だった
しかも中学の制服を着た俺……
「なんでや…?」
俺は思わずリビングの蛍光灯をつけて周りを見渡した
すると無数の俺の写真が部屋中に飾ってあった
俺が手に取った写真の下に「ふみ姉へ」と書いてある封筒があった
「ふみおばちゃんか!?」
俺はその封筒を開くと中から1万円札10枚と手紙が出てきた
手紙には
「ふみ姉。息子は元気ですか?最近写真を撮らないようでどうしているか不安です。息子の借金が増えてるようで本当に迷惑掛けてすみません。もう私も稼げる歳でもないしふみ姉も大変でしょうからその時はもう息子を突き放して下さい。ごめんなさい。」
「お袋と離れて11年……
その間俺は何をしていたんだ……
なんで涙が出てくるんだ?」
リビングの奥からやつれたばばあが出て来た
「なんだ??」
ばばあは明かりに目が馴れていないようで俺に気付いてない様子だった
「こいつが俺のお袋なのか!?」
ばばあが電気を消しに来た時に俺の存在に気付いた
「もしかして……
あなたは……
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