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「女の子はあまり帰りが遅いと心配されるんだよ?お父さんいつもお母さんが買い物から帰るの遅いとそわそわしてるもの」
「あ…でもぉ…」
「い、い、か、ら!ほら!早く!」
空葉に急かされてついつい着てしまった。
なんだか負けた気分だ。
「あ、あの…!このお礼は必ずしますから!」
「え、いいよいいよ」
空葉は断ったけれど、雨の中に飛び込んだ緋姫はしきりに振り返って「必ずです!」と言ってくる。別にいいのに。
「…さて、帰ろうかな…」
そして、まだ雨が降る中を空葉は何くわぬ顔顔で歩いていった。
家に帰ったあと、ハンカチとレインコートがないことを問いつめられて全て包み隠さずに「僕、消毒してあげたんだよ~」と言って、舐めた事を伝えたら二人とも飲んでたお茶を吹いて、空葉を怒った。
空葉は頭に疑問符を並べるばかりだった。
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