刑事純情物語
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もう二時間も、男は取調べを受けている。 「そんなに、彼女が憎かったのか?」 「……」 「おい、聞いてるのか」 「別に、憎かったわけじゃ…」 ようやく、口を開く男。 「なら、何で彼女を刺したんだ」 「……」 再び、黙る。 刑事は静かに、息を吐いた。 さっきから、この調子だ。男は雑談には応じるものの、事件の動機の話になると堅く口を閉ざし、語ろうとしない。
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