死とパン

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死とパン

彼女には莫大な保険金がかけられていた。男はそれを使い、パンを焼き続けた     愛する彼女を再生するために     この日から男は少しづつ狂っていった   男は彼女の遺産を研究費用とし、彼女を甦らせようとしたのだった     腐りにくく腹持ちのいいパン 人間の魂を止めておくにはこれ以上ない器だった     つまり、男の狂った思想は   パン+人間の融合、錬成   錬金術という、オカルティズムな策だった     グァアアアァアアアア!   痛みと戦う日々が続く   綺麗なストレートパーマが、代償にと天パに変えられた   他にも代償に、鼻をもっていかれた。仕方なくパンを鼻に錬成し代用した     遥かな痛みを乗り越え、男は遂にその小さな工房で奇跡を起こした     バンッ!!  
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