怨館

始まり

「行くのはいいけど、どこに行くか決まってるのか？」

俺はみんなも思っているであろうことを代表して千佳に言った。

「決まってるわよ。ほら、この前新しく始めたっていう隣町のペンション。今キャンペーンとかもやってて安く泊まれるから出費も抑えられていいんじゃない？」

「そういえばそんな話があったな。確か場所は富岳山（ﾌｶﾞｸｻﾝ）だったか。」

「そ。避暑地にはちょうどいいでしょ。」

考えたな千佳。
出費を安くして尚且つ避暑地としても充分に楽しめるというわけか。
これに乗らない手はないんじゃないか？

「それはいいな。俺は賛成だ。みんなはどうだ？」

千佳と俺を除いた５人は少し考えたがすぐに了承した。