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「……そうか…。大丈夫なのか…?」
「ああ。命に問題はないだろう…。今のところな…。」
「……今のところ…?」
「…ああ…。弘人はかなりの血を流した…。応急処置で止血はしたが、早く病院に行かないとどうなるかは分からない…。」
「……そうか…。なら早くここから脱出しないとな…。」
滝が静かにそう言う。
みんな普通の様子ではないことには気付いていた。
そして愛理がいないことにも…。
千佳も気付いていたようだったが聞くのを躊躇っていた。
出来れば聞きたくなかったが、俺は滝に聞いてみることにした。
「滝……、愛理は…どうしたんだ…?」
竜介はその言葉を聞くと悔しそうに唇をかみ締めていた。
滝もとても無念そうな顔をしていた。
「……ああ…。俺も話さなければと思っていた…。」
そして滝はゆっくりと話し出した。
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