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(……この足音…前から聞こえてるんじゃない……。)
…そう。
足音は階段を降りてこちらに向かってきているのではなかった。
…その上の通路から聞こえているのだ。
足音は真っ直ぐに左の階段……つまり、俺が今隠れている階段の上に向かっていたのだ。
(…どうしてもっと早く気付かなかったんだ…!)
普通の状態ならばすぐに気付いただろう。
だがこの館にいる『者』は姿は見えないのではないかという勝手な思い込みと、極度の緊張感によって気付くのが遅れたのだ。
…ペタッ
…ペタッ
…ペタッ
…ペタッ
だがその時には足音は階段を下り始めていた。
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