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薄暗い部屋の中、彼は物陰に隠れていた。
(しくじった・・・!)
拳銃を握る手が汗ばむ。
(せっかく証拠をつかんだのに)
今の彼は、まさに袋のネズミであった。
彼の名前は山田。刑事である。
麻薬の密売組織を追い続け、ついに敵のアジトに侵入できたというのに・・・。
この建物にいる犯人は今、血眼になって山田刑事を捜しているところだ。
この物置の中で隠れていても、いずれ発見されるのは明らかであった。
(一か八か、部屋を出て出口を目指すしかないか)
山田がそう決意して、汗ばむ手を上着で拭うと、拳銃を握りなおした。
その時だった。
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