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(ただの噂だと思っていたが・・・)
まさか本当に存在したとは。
「高橋さん、俺も一緒にここから抜け出す事は可能ですか?」
「もちろんだとも」
うなずく高橋。
「テレポーテーションする際、私に触れていなさい。そうすれば、一緒に警察庁に連れて行ってあげよう」
地獄で仏とは、まさにこの事だった。山田は助かったのだ。この危機的状況の中、無事に帰る事ができるのだ。
その時だった。
突然、部屋の扉が開く。目をやると、犯人グループの一人がそこにいた。
「いたぞー!」
まずい。見つかった!
「高橋さん!」
「分かっておる」
見ると高橋は、両手を十字にクロスさせて目を閉じ、何か集中しているように見えた。
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