ただ、アレを求めて…

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なにやら満足そうに老婆がおれを見つめている… ホレられたか…? いや、おれは田中だ。そんなわけはないだろう…。 ん… はっ! 老婆の鼻の穴から、今日から明日へ架かる虹のように、鼻毛がぴょろっとはみ出ているじゃないか… 言ったほうが良いのか…いや、良いわけがない。 この老婆も60年前はピチピチしたレディーだったはずだ… レディー レディーレディーohレディー… いいなぁいいなぁレディー…ピチピチレディーいいなぁ ハァハァ あほかおれは! くそぅ…もう一回確認してみるか… ぐわっ 鼻毛に鼻クソが絡まっているじゃないか! なんかあれだ! 崖から落ちまいと必死にしがみつくルパン3世のようだ…。 この老婆、まだ満足そうにニヤニヤしてやがるー! ちくしょうやるなババァ… 老婆『兄ちゃんよ、田中だろ?』 田中『え? いかにも…おれが田中だ… まさか!あんた、 焼酎・オチャデワリマショッカーの一味か!?』 老婆『なんだいその焼酎なんとかって…気持ちわりぃ。 あたしゃ一味より七味派なんだよ、このポコチンが!』
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