**序章*忠岡家の日常**

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「ただいま~。」 『おかえり~。』 私のただいま、そしてお母さんからのおかえり。 私が学校から帰ったときの、なんてことないいつものやりとり。 『ねぇ、絵茉(エマ)ちゃん。』 絵茉は、私の名前。 「なぁに、お母さん。」 『今日の夕食、何食べたい?』 「なんでもいいよ。」 『その答えが一番困るのよ?』 「だけどね、お母さん。毎日同じこと聞かれてもね、そんなにたくさん食べたいものなんてないと思うのよ。」 『お母さん的にも、そうなのよ。毎日何作ればいいか分からなくなるのよね。何か、ない?』 こんなのも、いつものやりとり。 ここにお父さんがいれば、適当に決めてくれるんだけど。
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