**序章*忠岡家の日常**

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さて…いつまでもこうしてるわけにも行かないわね。 私にはやるべきことがあるんだから。 食べたいもの…ねぇ…。 たまには、王道で行こうかな。 「…パンと、シチュー。」 物語の王道。 これらなくして物語は語れない。 外国っぽい物語やアニメには欠かせない、北欧の家庭の味…! いや、独断と偏見だけど。 本当に北欧の家庭の味かどうかは私は知らない。 私は、生粋の日本人だもの。 『パンとシチュー?』 「そう、パンとシチュー。たまには良いんじゃない?」 『ご飯とシチューじゃなく?』 「いや、どっちでも良いけど…。」 とか言いつつ、頭の中では丸いパンがシチューの横に可愛らしく添えられている。 『でも、お母さんは、シチューには丸いパンが良いと思うわ。』 あ、やっぱり親子だな。 ていうか私はご飯の方が良いなんて一言も言ってないけど。 「私も、それがいいと思うよ。」 そんなこと思ってても余計なことは言わない。 私にはやるべきことがあるんだから。
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