12人が本棚に入れています
本棚に追加
翔の店はケンジの店からタクシーでものの5分のところにある
なのであっという間に着き、緊張しながら翔に電話をかけた
『もしもし、さっきメールした凛々子ですけど…』
『あ、着きましたか?今店出ますね!』
翔の店は1階で
結構分かりやすい場所にあったので、あたしとケンジはもう店のすぐ前にいた
そして、携帯を持ったままの一人のホストが店の中から出てきた
辺りを見回して、こっちに気付いて歩いてくる
『凛々子さんですか?』
(キャー!本物だー!)
思ったより背が低いことを除けば
翔はほぼサイトの写真通りだった。
『はい、そうです…あの、すいませんいきなりメールしちゃって』
『全然!嬉しかったですよ😃とにかく中へどうぞ』
と案内されて入ると、天井の高い
広くて綺麗なお店だった
結構お客さんも入って賑わっている
とりあえず奥の席に座り、初回で飲み放題なので
あたしとケンジはビールを頼んだ
…ていうか周りを見渡すと、若い男の客なんてケンジだけだ
中身は女だけど、見た目は先にも書いた様に普通にイケメン
なんかカップルでホスクラ来たみたいに見えるよね…
ケンジが早く女言葉で話し掛けてくれないかなと思いつつ、乾杯
すると翔が
『これ、男メニューなんで、いいなと思うホストがいたら言って下さい』
ってアルバムみたいなのを渡してきた
翔は一応店長という肩書き+ナンバーワン
きっと忙しいだろうし、他のホストが色々着くよりも翔と少しでも長く話してみたかった
なので
『あ、あたしは翔くんで…』
『え?!俺?いま俺に決めていいの?』
『もともと顔がタイプでメールしたから😃』
って、若干酔ってるのもあって普通に言えた
翔は驚いてたけど
『ありがとう!』
って早速私の隣に座った
ケンジは向かいで男メニューを真剣に見ている(笑)
『彼はあたしのよく行くバーのオーナーで、ケンジ。ゲイなんだ😃』
と改めて翔にケンジを紹介した
『そうなんだ!店にゲイのお客さん来てもらうの初めてかも…しかも初回で』
『そうだよねぇ(笑)』
二人で笑って、場が和んだ。
隣に座る翔の顔を間近でよく見ると、整った甘い綺麗な顔をしていた
更に、声が素敵な低音で
凄く落ち着いたトーンで話す人だった
無駄にテンション高い、アホっぽい話し方だとガッカリだなと思ってたので
めちゃめちゃ好印象♪
最初のコメントを投稿しよう!