黒い光

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テーブルに戻ると 店長が席から離れた。 (店長ありがと〰! マジ助かったです!) まずは笑いだ。 でも、その前に 共通の話題を作らないと (そうだ!ブランドだ!) 俺は前にブランド物の時計を販売していた。 そのときの知識を頼りに 話題をふり 話を盛り上げた。 普通は仕事の話をすると あんまり好かれないが 自分から業種を 言ってくる人は 逆に喜ばれる事が多い。 あのブランドがどうだとか あのシリーズはこうだとか そんな話をしていると 自然に笑顔になるし、 その話題の中での 笑い話も出てくる。 しかもラッキーな事に 俺をタイプだと 言ってくれた。 話せば話すほど 何故か話題が尽きない。 アキラさんは終始、笑顔だった。 閉店時間が近づいてきた頃 俺はアキラさんに言った。 「実は俺、 今日が初出勤なんですよ。」 「初めてキャッチした人が アキラさんで 初めてテーブルについたのも アキラさんなんです。」 「初めてがアキラさんで マジ良かったです。」 するとアキラさんは 酔っていたせいもあり 「じゃあ初めて入れた シャンパンも 私がもーらい!」 と言って ドンペリを一本入れてくれた。 俺はマジで感動した。 こんなに 順風満帆なスタートで いいんだろうか? とさえ思った。
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