二股

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「オハヨー優子!」 「あ、オハヨー真紀。」 真紀は感が鋭い。 昨日の事ばれないようにしないと……。 ザワザワ ザワザワ 扉の向こうで出勤してきた人達の声が聞こえる。 「オハヨー!」 「おはようございます!」 その中に武人の姿もあった。 私にニコッと微笑み、自分の机に座る。 昨日の今日……… 私は恥ずかしいのか罪悪感なのか…… その笑顔に動揺してしまい、武人の顔を直視できなかった。 この事務所には女の事務員が私と真紀だけで、朝出勤してきた人達にお茶を出すのが日課になっていた。 給湯室で真紀と二人、人数分のお茶の用意をしていると…… 「……優子~?あんた昨日、なんかあったでしょ……?」 「え………?う……うん……。」 やはり、真紀には嘘はつけない。 と言うより、私があからさまに態度に出過ぎるのかも知れない………。 .
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