第1弦月

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 この国がまだ一つの大陸だった大昔。        太陽の神と月の神が一つの生命を誕生させる。 それが後に人間と進化するのだが、それは余りにも弱く可哀相に思った太陽の神と月の神は、下界に遣いを出す。        一つの桶には永遠の命を保つと言われる`変若水(オチミズ)'を、もう一つの桶には触れると命を奪うと言われる`死水(シミズ)'を持たせた。        やっとの思いで下界に辿り着いた遣いの者は、水を飲む為桶を下ろした。        その隙にズル賢い蛇が現れ`変若水(オチミズ)'を浴びてしまう。        慌てた遣いの者は、あろう事か残った`死水'を人間に与えてしまう。        それから蛇は脱皮を繰り返し生き長らえ、人は短き命を得たと言う。
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