396人が本棚に入れています
本棚に追加
/237ページ
月
それは人間の人生に似ている。
三日月の新月が誕生し上弦の月となり満月となる。
そして満月は下弦の月となり新月として消える。
月はそのル―プを繰り返す。
人は赤ん坊としてこの世に誕生し、幼子と成長し大人へとなる。
大人になった人間は、年老いてやがて無となる。
月と違って再び誕生する事は無い。
人は言う。
月を見ていると何だか悲しくなる。
それは何故だろうか？？
月の様に永遠が手に入らないからだろうか？？
月影が心に闇を落とすからだろうか？？
真っ青な空に月が煌煌(ｺｳｺｳ)と輝く。
それは何を伝えたいのか……。
それは何を思うのか？？
純粋な涙の雫が流れ落ちる。
ポロポロと。
残酷にもその姿を暗闇から写し出す。
ポロポロと。
その涙は何処に行くのだろうか？？
ポロポロと。
落ちては消えて行く――――。
最初のコメントを投稿しよう！