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「センパイ……私と……付き合ってください」
一人の少女が俺にむけて言葉を放つ
河野大和(コウノヤマト)
16歳
高校2年
只今、見てわかるように俺は告白を受けている真っ最中だ。しかも年下で美少女ときたもんだ。
今まで16年間生きてきたが、これは俺の人生初の出来事である。
「……返事を…聞かせてください…」
少女は顔を真っ赤にしながら、俺に応えを求めてくる。
俺は困っていた、なんせ人生初の経験である。応え方が解らない。
しかも、了承の返事ならまだしも、断りの返事であるから参った
どうしたものかと、考えこんでいると
「河野君!」
俺の背後から、声がした。女性の声である。
俺が振り替えると同時に彼女は俺に向かってこう告げた
「もし良かったら……私と付き合ってください!」
彼女も顔を真っ赤にしながら、叫んだ。それにしても、彼女も美少女である。
おいおい、なんだこの異様なシチュエーションは?
俺ってこんなに人気なのか?
そんな事を考えていると
「大和……」
こんどは、俺の左のほうから声が聞こえてきた
しかし、今度ばかりは一味違った
俺が、恐る恐る声のする方向へ振り向く
そこには、俺の目がおかしくない限り【男】がいた。
いや、確かにここは学校なんだから、男子生徒がいようがおかしくないのだが……
ははは……まさかだよな…
その男はゆっくり口を開きこう言った。
「大和……俺…お前の事が好きだ……友達としてとかじゃない…お前の事を愛してるんだ……だからどうか…俺の気持ちを受け取ってくれ!」
重い……重すぎるぞ!
なんだ!?このシチュエーションは!?
人生のモテ期の真っ最中なのか!?
ええぃ!
そんなことは今どうでもいい!!問題はどうやって、断りの返事をだすかだ!!
「ヤマトさん」
とまた新しい声、声のする方を振り向くとまたしてもそこには美少女が!?
「ヤマトさん」「大和…」 「センパイ…」「河野君」「大和お兄ちゃん」「河野…」「河野さん」……
次は一斉に声がした。
女生徒数人男子生徒数人の割合で俺に告白に来ているようだ……
ちょっとまて……いくらなんでも多すぎるだろ…
俺はこの異様なシチュエーションを打開するために、一つの行動を取った。
「36計逃げるがなんとかってね…」
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