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「無理して食べなくてもいいょ…。」
由衣は小声で健二に言った。
「無理なんかしてねーよ。」
健二も小声で返す。
「何そこコソコソ話してんの?ねぇ健二はどんな子がタイプなの?」
ミサが甘えた声で聞いている。
「そうだな………料理の上手い奴かな。」
「えー!そうなんだぁ~、私由衣のとこの学校通おうかな~。」
完全にミサは酔ってたけど由衣は健二と目が合って、またドキドキした。
料理の上手い人。。。
それがタイプなんだぁ。。。
鍋会も楽しく終わり、酔って寝てしまったミサを置いて5人は家を出た。
恵の両脇に誠と竜也、由衣は健二と二人その後ろを歩いていた。
「まだ実家住んでんだ。」
「そう。健二は?」
「もう一人暮らしして3年。」
「じゃあ高校卒業してからすぐ?」
「おぅ、親も離婚したから専門学校行きながらバイト代稼いでた。由衣も自立したら?」
「ぅん…、でもお兄ちゃんいなくなったから私が家出ると寂しいかな?なんてね。楽したいだけだけどさ…。」
「兄さん亡くなって4年かぁ。あん時の由衣は見てられなかったよ。屋上で…。」
健二ちゃんと覚えててくれたんだ…。
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