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ぽぷよん ぽぷよん
灯里「にゃんこさん?」
ズッ
灯里「!」
ばっ
灯里「にゃっ…にゃんこさーん!」
ほっ
灯里「━…ってあらら?」
スイーッ
私のバック!!
灯里「おじさーん…おじさーん!」
灯里「━~…」💧
ススィーッ
灯里「おじさーん待ってくださーい」
トッ
アリア社長「にゅ?」
灯里「突然おじゃましてすみませんでした」
ギィシッ
郵便屋のおじさん「おうっ立つと危ねーぞ!」
わわわっ
スィー
灯里「あのーすみません私、さっきの場所で待ち合わせしてて…」
ゴトッ
ほっ
灯里「止まってくれた…」
どっ
灯里「!」
カチ
灯里「手紙…郵便屋さんだったんだ」
ピー
灯里「本当にみんな船でお仕事してるんだぁ」
郵便屋のおじさん「滑稽だろ?星間旅行ができるご時世に、わざわざ船でうんとこさやんなきゃ始まらねぇんだ…この街は、まったく不便で不便でならねぇ。でも、不思議と落ちつくんだよな」
灯里「…わかります」
郵便屋のおじさん「おうっ嬢ちゃんにもわかるかい?」
灯里「はい、何となく…。私…地球出身でして、街はどこも美観化と合理化が進んでいてスッキリしたもんです。買い物も仕事もこことは違って全部家でできるし」
くく!
灯里「便利ですよ。でも…そのスッキリして便利な街の姿が物足りなく感じてしまうんですよねー。私…わがままなんですかね?」
その街からもろくに出たことなかったのに何言ってるんだか(笑)
郵便屋のおじさん「……………」
はあっはっはっはっ
灯里「?、!?」
郵便屋のおじさん「嬢ちゃん、若いのに面白いこと言うなぁ、このネオ・ヴェネツィアには何しに来たんだ?」
旅行か?
灯里「…………」
灯里「私「水先案内人」になりたいんです」
郵便屋のおじさん「水先案内人ってこのまちの伝統的な観光客専門のゴンドラ漕ぎのことか?」
んー
灯里「はい…今日から「ARIAカンパニー」という会社に下宿して見習いから修業するんです」
郵便屋のおじさん「しかし、水先案内人になる試験は難しいってよく聞くぞ?この街のイメージを代表するアイドル業みたいなもんだもんだからなぁ」
灯里「でも私…ゴンドラが漕ぎたいんです。ほら、女性は「水先案内人」になるしかないじゃないですか」
んー
郵便屋のおじさん「まあ他の職のゴンドラ漕ぎは男専門だからなぁ」
郵便屋のおじさん「…………」
郵便屋のおじさん「嬢ちゃん、ちょっと漕いでみるか?」
灯里「え…、いいんでしょうか?」
郵便屋のおじさん「ん~?かまやしねえって」
灯里「…………」
灯里「いきます!」
スウーッ
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